Vue.jsでp5.jsを使ってみる

Vue.jsでp5.jsを使ってみる:



画面収録 2018-12-09 23.24.48.mov.gif


p5.jsをVueのフレームワークを使って描画するためにリサーチした時のメモです。p5.jsはProcessingから派生したライブラリで、ビジュアル表現やGenerative Designをする時に便利です。OpenProcessingというWeb上で開発できる環境があり、プログラムを書いてすぐにビジュアルを確認できます。今回はここで書いたコードをVueを使って表示する方法を調べました。


ライブラリをインポート

Vueのプロジェクトを作成したら、p5.jsのライブラリをインストールします。

(私はNuxtで作成しましたが、通常のvue-cliでも同じだと思います。)

npm install --save p5 
これですぐにp5.jsを使うことができるのですが、p5.jsであらかじめ用意されている関数やプロパティはグローバルで展開されてしまうようで、うまく扱うことができません。そこで、p5.jsにinstance modeと呼ばれるモードで、p5.jsを単体のオブジェクトとして生成して、グローバルとの競合を防ぐことができます(参考)。

mountedした時に描画するような記述は以下の通りです。p5.jsの実質的な実装コードを関数内に書いていき、その関数をP5クラスに渡しています。

mounted内
mounted() { 
 
  const script = function (p5) { 
    var speed = 2; 
    var posX = 0; 
    p5.setup = _ => { 
      p5.createCanvas(500, 500); 
      p5.ellipse(p5.width / 2, p5.height / 2, 500, 500); 
    } 
 
    p5.draw = _ => { 
      p5.background(0); 
      const degree = p5.frameCount * 3; 
      const y = p5.sin(p5.radians(degree)) * 50; 
      p5.push(); 
      p5.translate(0, p5.height / 2); 
      p5.ellipse(posX, y, 50, 50); 
      p5.pop(); 
 
      posX += speed; 
      if (posX > p5.width || posX < 0) { 
        speed *= -1; 
      } 
    } 
  } 
 
  const P5 = require('p5') 
  new P5(script) 
} 


画面収録 2018-12-09 21.47.30.mov.gif



任意のCanvas内に表示

このままだとp5.jsの表示は左上に表示されてしまうので、html内の任意のCanvasの位置に表示させます(参考)

template
<template> 
  <div class="container border"> 
    <div class="d-flex justify-content-center" id="p5Canvas"></div> 
  </div> 
</template> 
 
mounted内の修正箇所
// p5.createCanvas(500, 500); 
var canvas = p5.createCanvas(500, 500) 
canvas.parent("p5Canvas"); 
任意のCanvasにidをつけ、p5.js内で作成したCanvasの親コンテナに割り当てることで任意のCanvas内に表示できます。



スクリーンショット 2018-12-09 21.55.00.png



外部リソースにする

本末転倒かもしれませんが、基本的にp5.js部分の記述はJavaScriptなので、Vue内に書かなくても良いと思いました。そこで、p5.jsの記述部分だけ抜き出して別ファイル(Radar.js)にし、それをVue側から呼び出して使用するように変更しました。

mounted内の実装
var radar = require('@/js/Radar.js') 
const P5 = require('p5') 
new P5(radar.main) 
Radar.js
let p5; 
 
export function main(_p5) { 
  p5 = _p5 
 
... 以下同じ 
} 
export文でp5.js部分(main関数)にアクセスできるようにして、new P5(radar.main)でオブジェクトを生成する時にその関数を渡しています。


コールバックを受け取る

もう少しVueの特徴を活かせられるように、p5.jsからコールバックを受け取って、その内容を表示させてみます。

methodsを追加
methods: { 
  callbackOnP5: function(timeStr) { 
    this.message = timeStr; 
  } 
} 
templateに追加
<div class="message d-flex justify-content-center"> 
  {{message}} 
</div> 
dataを追加
data() { 
  return { 
    message: "" 
  } 
}, 
mounted
// NOTE: p5.jsからのコールバックを受け取る 
radar.setDelegate(this.callbackOnP5); 
Radar.js
let delegate; 
let p5; 
export function main(_p5) { 
 p5 = _p5 
 p5.draw = _ => { 
   notifyCurrentTime(); 
 } 
} 
 
export function setDelegate(_delegate) { 
  delegate = _delegate; 
} 
 
function notifyCurrentTime() { 
  if (delegate !== undefined) { 
    const message = p5.hour() + ":" + p5.minute() + ":" + p5.second(); 
 
    delegate(message); 
  } 
} 
callback関数をあらかじめp5.js側のソースコードに渡しておき、任意のタイミングでコールバック関数を呼び出し、データバインディングしているmessageプロパティを更新させています。






冒頭のデモはgithubに置いています。

元となっているOpenProcessingでのソースコードはこちらです

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