積立投資の存在感が増す投信市場~2019年1月の投信動向~ : 2019年1月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く)の推計資金流出入をみると、国内債券、外国債券以外の資産では資金流入があった【図表1】。特に、外国REITは2016年12月以降、資金流出が続いていたため、約2年ぶりの資金流入となった。2018年後半に外国REITは資金流出が鈍化し売却が一巡してきていたが、この1月はさらにこれまで重石となっていた米金融政策が変換点を迎える可能性が出てきたことも追い風になったと思われる。ただ、流入金額はどの資産も1,000億円に届かず、投信販売全体が低迷していたことがうかがえる。 国内株式は、株価動向が影響し600億円の資金流入と12月の1,000億円から減少した。1月は大発会こそ下落し日経平均株価は2万円を下回ったが、直ぐに反発し、その後は方向感が乏しい展開が続いた。国内株式では2018年10月以降、パッシブ・ファンドが資金流入を牽引してきた。それが1月は日経平均株価が2万円を回復した7日を境にパッシブ・ファンドの資金流入が止まった。日経平均株価が2万円を超えたあたりから、売買を控え様子見をする投資家も多かったようだ。外国株式では、12月の200億円の資金流出から1月は750億円の資金流入に転じた。【図表2】の2本(青太字)を含む1月新設された外国株式ファンドが450億円ほど資金を集めており、新設ファンドによって資金流入が膨らんでいた面もあり、既存の外国株式ファンドの販売は引き続き厳しかった模様である。外国株式ファンドの販売が厳しい中で存在感を増してきているのが、つみたてNISA対象ファンドである。つみたてNISA対象の外国株式ファンドは、一つ一つのファンドの流入金額は小額で【図表2】の流入上位ファンドに出てこないが、合計すると1月は200億円の資金を集めた。1月新設ファンド以外に300億円の資金流入があったが、そのうち3分の2は つみたてNISA対象商品への資金流入であった。2018年1月以降のつみたてNISA対象の外国株式ファンドの資金流入の推移をみると、毎月100億円以上の資金流入があり、1月に限らず安定した資金流入を誇っていることが分かる【図表3】。2018年11月以降、内外株式を中心に投信販売が鈍化しているが、バランス型には600億円前後の資金流入あり、他...