今後の“AI機械学習”はチェスでも碁でもなく、絵の伝言ゲーム「Pictionary」がトレンドになる?!

今後の“AI機械学習”はチェスでも碁でもなく、絵の伝言ゲーム「Pictionary」がトレンドになる?!:



“機械学習”“AI”といったワードが、このところ注目を集めている。チェスや碁の対戦で、AIが人間のプレイヤーに勝利した、というニュースも流れ、人々を驚かせた。

機械学習やAIの技術は、チャットボットや音声ガイドなどのサービスの肝であり、社会で有用なものの、どうしてもいわゆる人間社会でいうところの“常識”や“判断力”がまだまだ不足している。

もちろん、チェスや碁を機械に学ばせることで、AIが人間も敵わない“絶大な知識の塊”になる可能性は提示されたが、この“知識”は非常に狭義の範囲のものであり、例えば碁をマスターしたからといって、“数独”で通用するものではない。

・機械学習に“判断力”を学ばせるため、ボードゲーム「Pictionaryを採用

“機械学習”に“判断力”を学ばせるにはどうすればよいかという問題に取り組んでいるのが、Allen Institute for AI (Ai2)という研究チームである。チームでは、ボードゲームの「Pictionary(ピクショナリー)」を採用し、AIの学習を進めようとしている。「ピクショナリー」は日本語版も発売されており、カードで示されたお題を絵で描いて、自チームの仲間に当ててもらうというゲームだ。

「ピクショナリー」では、「絵を描く能力」と「複合的な意味を、シンプルな概念で伝える能力」の2つが要求されるわけだ。例えば、お題が“結婚指輪”だった場合、プレイヤーは指輪の絵を描き、結婚式の花婿や花嫁を描くことだろう。

チームでは、“描かれたもの”の裏に隠されたお題を推測するアクションが、機械が“概念”をリアルの世界に当てはめて理解するための有効な手段になると考えている。

・AllenAIというチャットボットと遊ぶ、オンライン版ゲーム「Iconary」



そこでチームでは、「ピクショナリー」のオンラインバージョンである「Iconary」というゲームを開発した。プレイヤーはAIボットのAllenAIとペアになり、交互に絵を描く人、お題を当てる人になってゲームを進めていく。

絵を描く人になった場合、お題を描いて伝えなければならない。描かれた絵は、コンピュータビジョンを使ってクリップアートアイコンに変えられ、コンピューターのプログラムが単語や概念のデータベースを使ってお題を推測する、という流れだ。1度で判別できなかった場合、お題がわかるまで何度か挑戦が続く。現状、1200のアイコン、7万5000のお題、2万の単語が登録されている。 “easy”“hard”の2モードがあり、人々の競争心を促すため、スコアボードも用意されている。

・より効率的な人間と機械のコミュニケーション方法を

研究チームとしては、人間とAIが時間をかけてやり取りを積み重ねていくことで、AIの“常識力”“判断力”が育まれ、ある概念が日常生活の中でどのように適合しているのか、理解を深めていくと考えている。また、人間と機械がより効率的にコミュニケーションする方法、協働する方法の模索にもつながるとしている。

1950年にアラン・チューリングによって考案された“チューリングテスト(Turing test)”は、ある機械が知的かどうか、人工知能の性能を判定するためのテストだが、ゲームを使った人工知能テストは、今後これに代わる手段になっていくのかもしれない。
Allen Institute for AI (Ai2)
Iconary

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