2003年から3回の投資の波を経て活況を呈するイスラエルの医療ベンチャー
2003年から3回の投資の波を経て活況を呈するイスラエルの医療ベンチャー:
「mHealth Israel」というHealthTechスタートアップのコミュニティと「日本医療機器開発機構(JOMDD)」の共同主催で、8社の医療系スタートアップがピッチを行うイベント「mHealth Israel×Japan」が開催された。
登壇したのは次の8社。
・IMNA
・NeuroCan
・DreaMED Diabetes
・Well-Beat
・PlasーFree
・Brainmarc
・Orca-AI
・INSIGHTEC
最初の4社のプレゼンターは女性であり、全員が各社のCEOを含むリーダシップチームのメンバーである。会議冒頭の挨拶に立ったイスラエル大使館のNoa Asher経済公使も、ヘルステックの分野では女性のCEO、リーダシップが特に多いことを紹介していた。
主催者であるmHealth Israelとは、ヘルステック分野のスタートアップ・コミュニティを運営するNPOで、CEOはLevi Shapiroという男性である。彼のキーノートスピーチによれば、このコミュニティには投資家や個人を含む5000名のメンバーが参加しており、うちスタートアップは430社、年間30回に上るMeetupイベントを開催している。
このようなつながりを作る場はイノベーションを生む上で大変重要であり、つくづくイスラエルはこのような「場」作りが上手いと感じる。偏見かもしれないが、日本の場合は不動産系の大企業が「入れ物」としての場を作り、スタートアップ支援を標榜するような事例が目につくのだが、Meetupの場とはどこか異なる感が拭えない。
非常に興味深かったのは、イスラエルのディジタルヘルス分野では、過去3回大きな投資の波があった、という点だ(記事冒頭の写真参照)。最初の波は2003年頃、3G通信技術の普及をきっかけとして遠隔医療が発展した。次の波は2009年、米国でオバマケアが導入されたことで、様々なエンタープライズ・ソフトウエアの開発が進んだ。三番目の波は2013年に始まった。AIにより、パーソナル化された医療が進展してきた。
日本の業界でも、3GやAIをきっかけとした技術開発は進んできたが、オバマケアをビジネスチャンスと捉えて投資する、というのは、世界に目を向けているイスラエルならでは、という印象を受けた。
以下に、ピッチ登壇の8社を紹介する。
IMNAは、医療のケアを提供する側と患者との間の安全なコミュニケーションを実現し、ケアチームの支援をするアプリである。様々な患者の情報・データを収集、管理、分析するための安全な基盤を提供する。AIを利用してデータを分析し、医師が利用できるInsightへと変換することで、個々の患者のケアプログラムの効果的な改善につなげる。
遠隔医療を実現するためのツールも、同じイスラエルのスタートアップtytocareと協力して開発している。
ADVISORの診断は専門医と同等に優れていることが、既に臨床試験から確認されている。
患者が医師の立てたリハビリ計画などを守らないことにより、膨大な医療費の損失が発生している。このナビゲータで、個々の患者の行動を責任あるものに変えてゆくことにより、中長期的な医療費削減の実現を可能とする。
「mHealth Israel」というHealthTechスタートアップのコミュニティと「日本医療機器開発機構(JOMDD)」の共同主催で、8社の医療系スタートアップがピッチを行うイベント「mHealth Israel×Japan」が開催された。
登壇したのは次の8社。
・IMNA
・NeuroCan
・DreaMED Diabetes
・Well-Beat
・PlasーFree
・Brainmarc
・Orca-AI
・INSIGHTEC
最初の4社のプレゼンターは女性であり、全員が各社のCEOを含むリーダシップチームのメンバーである。会議冒頭の挨拶に立ったイスラエル大使館のNoa Asher経済公使も、ヘルステックの分野では女性のCEO、リーダシップが特に多いことを紹介していた。
主催者であるmHealth Israelとは、ヘルステック分野のスタートアップ・コミュニティを運営するNPOで、CEOはLevi Shapiroという男性である。彼のキーノートスピーチによれば、このコミュニティには投資家や個人を含む5000名のメンバーが参加しており、うちスタートアップは430社、年間30回に上るMeetupイベントを開催している。
このようなつながりを作る場はイノベーションを生む上で大変重要であり、つくづくイスラエルはこのような「場」作りが上手いと感じる。偏見かもしれないが、日本の場合は不動産系の大企業が「入れ物」としての場を作り、スタートアップ支援を標榜するような事例が目につくのだが、Meetupの場とはどこか異なる感が拭えない。
非常に興味深かったのは、イスラエルのディジタルヘルス分野では、過去3回大きな投資の波があった、という点だ(記事冒頭の写真参照)。最初の波は2003年頃、3G通信技術の普及をきっかけとして遠隔医療が発展した。次の波は2009年、米国でオバマケアが導入されたことで、様々なエンタープライズ・ソフトウエアの開発が進んだ。三番目の波は2013年に始まった。AIにより、パーソナル化された医療が進展してきた。
日本の業界でも、3GやAIをきっかけとした技術開発は進んできたが、オバマケアをビジネスチャンスと捉えて投資する、というのは、世界に目を向けているイスラエルならでは、という印象を受けた。
以下に、ピッチ登壇の8社を紹介する。
IMNA
彼らのウェブサイトには、ListenAppという安全な音声通話を実現するアプリの紹介があり、IMNAの情報は一言も出てこない。しかし、どうやら同じメンバーが別会社として始めたのがIMNA Solutions, Incのようだ。ListenAppのFBページの中にIMNAの簡単な紹介ページ(IMNA Solutions)がある。IMNAは、医療のケアを提供する側と患者との間の安全なコミュニケーションを実現し、ケアチームの支援をするアプリである。様々な患者の情報・データを収集、管理、分析するための安全な基盤を提供する。AIを利用してデータを分析し、医師が利用できるInsightへと変換することで、個々の患者のケアプログラムの効果的な改善につなげる。
NeuroCan
神経科の専門医師自身が立ち上げた、脳性麻痺や運動障害などの子供の神経系の病気に関する遠隔診断やケアサービスを提供するためのプラットフォーム。 この分野では高度な専門医による診断が求められるが、そのような医師にどこでもアクセスできるわけではないため、貴重なリソースをプールしてオンラインでサービスを提供することには意義がある。遠隔医療を実現するためのツールも、同じイスラエルのスタートアップtytocareと協力して開発している。
DreaMED Diabetes
社名からわかるように、糖尿病(Diabetes)のケアをサポートするプラットフォーム。クラウド上にADVISORというAIエンジンがあり、患者が食事の内容や運動の状況等、様々なデータをスマホで入力すると、AIエンジンが個々の状態に最適なインスリンの治療プランを提案してくれる。ADVISORの診断は専門医と同等に優れていることが、既に臨床試験から確認されている。
Well-Beat
こちらもDreaMEDと類似のAIによるアドバイザー。彼ら自身は「Personalized Behavior Navigator」と称している。オンラインでの様々な問診に回答すると、そのデータがAIにより分析され、服薬管理などを提示する。患者が医師の立てたリハビリ計画などを守らないことにより、膨大な医療費の損失が発生している。このナビゲータで、個々の患者の行動を責任あるものに変えてゆくことにより、中長期的な医療費削減の実現を可能とする。
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