年頭所感

年頭所感: 2019年を迎えるに当たり、所感の一端を申し述べ、新年のご挨拶に代えさせていただきます。

 昨年の経済を総括すると、「適温経済から変温経済への転換の節目」であったという印象です。世界経済は米国を牽引役として総じて堅調な拡大が続くなか、日本経済も緩やかな回復基調を続けてきました。一方で、米中貿易摩擦、Brexit、欧米各国におけるポピュリズムの台頭など、「グローバリズムの巻き戻し」ともいえる動きが懸念材料として顕在化しています。これは単なる通商問題ではなく、格差や貧困、環境問題、更には将来にわたるデジタルテクノロジーの覇権を巡る争いとも捉えられます。また、わが国においても、少子高齢化や人口減少といった構造的な問題や、デジタル化に伴う社会の非可逆的な変化等、社会的課題が顕在化しています。

 このような環境下、金融に求められる役割はますます拡大・多様化しています。全銀協では、2018年度を「時代の転換期にあたり、社会的課題の解決に貢献する1年」と位置付け、お客さま、お取引先の課題解決を発想の原点に置き、全銀協としての活動に取り組んできました。昨年4月の会長就任から9ヶ月が経ちますが、金融を取り巻くこの流れは変わっていません。銀行も、今や創意工夫と自由な発想で、次世代の社会をデザインする機能が求められています。

 2019年は、銀行界にとって「デジタルイノベーションを本格化する1年」になるでしょう。この波は、銀行経営者にビジネスモデルの変革を問うだけでなく、メンタルモデルの改革、すなわち意識改革を求めるものです。未来の金融はこれまでの延長線上にはありません。3つの側面から、非連続的な発想で、世の中がどう変わり、お客さまのニーズがどう変わるかを、あるべき姿からバックキャスティングで考える必要があります。...


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