INEVITABLE ja night 開催レポート - 日本の情シスを巡る不可避な流れとは -
INEVITABLE ja night 開催レポート - 日本の情シスを巡る不可避な流れとは -:
Google Cloud に代表されるクラウド技術の進化が引き起こすその先の世界を、機械学習、VR / AR、IoT などの領域で活躍されている方々と一緒に議論するイベント「INEVITABLE ja night」。 9 月 18 日に開催した第 6 回目のイベントは、「日本の情シスを巡る不可避な流れ」をテーマに、現役の CIO や情シスでの業務経験のある方々をお招きして、日本企業における情報システム部門は今後どのような役割を果たすべきか、どのように進化すべきか、さらには、情シス的な人材が今後どのように活躍できるのかについて、議論しました。
(左から、友岡さん、成田さん、金山さん。聞き手は小島 英揮さん(Still Day One 合同会社 代表社員 パラレルマーケター・エバンジェリスト))「クラウドとモバイルを組み合わせることがまずは重要だが、日本の製造業の多くはまだそのレベルには達していない。先進的な取り組みを社内でどのように説得し、導入を促進するか」(友岡さん)「ビジネスの現場の方が IT に詳しい企業において情シスが果たす役割の一つがチームワークを活性化する”ビジネスコラボレーションハブ”を実現すること」(成田さん)「ビジネス変革のために IT をどう活用し、”コーポレートエンジニアリング”を実現するか」(金山さん)と、それぞれの立場から情シスの現状と将来への期待を語っていただきました。
業界も、会社における情シスの役割も異なる御三方ですが、共通する考えもあるようです。たとえば、いずれも社内システムは内製化を積極的に進めているとのこと。自らの手を動かすことで課題解決を人任せにせずに進めることが大切であり、また、構築したシステムは、運用の過程で、仮説立案・検証・改善というフィードバックループを回していくことで、システムの価値を高めていくべきと述べていました。こうした変化は、開発や運用をいっしょに行う社外パートナーとの付き合い方にも影響しているとのこと。IT サービスを購入・試用し、前述のフィードバックループを共に回せるパートナーが求められていると言います。
さらには、自社内のみならず他社や異業種との交流も推進しているそうです。様々なノウハウを競合他社を問わずに共有することで、新たな知識を得たり技術力を磨くことができるだけでなく、自らを客観的に評価できるようになるとのこと。情シスに所属しているメンバーは社外のコミュニティにどんどん参加すべきだということも、3 名の一致した意見でした。
参加者からは、CIO のロールモデルとして三者三様の考え方に共感したという声も多数あがったセッションでした。
(左:大久保さん、右:黒須さん)現在、5 社目の大久保さんと 4 社目の黒須さん。それぞれのキャリア形成は異なるアプローチでした。大久保さんは、自らが理想とするスキルマップを描き、不足しているスキルや経験を身につけるために転職を繰り返してきたそうです。特に、外部コミュニティに参画して、さまざまな背景を持つ人々との交流を通じて、自分に足りないものが何かを意識し始めたとのこと。コミュニティに参加する重要性がここでも語られていました。
一方、黒須さんは「この業種、この会社に勤めたいというよりも、自分が関わることで世の中にインパクトを与えられることが実現できるか」を重視しているとのこと。自らを「わらしべ長者的キャリア」と語るように、ルート営業、データセンター事業のアライアンス開拓、クラウド導入支援と、その時に所属した企業で身につけた技術や知識、経験を次の職場でどのように活かすかを心がけてきたそうです。「敵を作らない対人スキルとテクノロジーを噛み砕いてわかりやすく説明するスキル」も大切であると、黒須さんは語っていました。
今回の INEVITABLE ja night は、過去 5 回とは異なり、テクノロジーではなく、それを使う情シスという組織をテーマにお送りしました。今回登壇された 5 名のゲストスピーカーそれぞれの考え方は、イベントの参加者にとって、大いに刺激になったようです。
Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team
※イベントのご案内
INEVITABLE ja night - “インターネットの次にくるもの”
第 7 回 コネクティッド社会に向けた不可避な流れ
日 程 : 2018 年 12 月 14 日(金) 19:00 〜 21:00(開場 18:30 より)
スピーカー:
INEVITABLE ja night - “インターネットの次にくるもの”
第 7 回 コネクティッド社会に向けた不可避な流れ
日 程 : 2018 年 12 月 14 日(金) 19:00 〜 21:00(開場 18:30 より)
スピーカー:
- 玉川 憲 氏(株式会社ソラコム 代表取締役社長)
- 饗庭 秀一郎 氏(JapanTaxi 株式会社 データエンジニア)
- 登 不二雄 氏(インフォメティス株式会社 Co-founder ネットワーク技術主幹)他
Google Cloud に代表されるクラウド技術の進化が引き起こすその先の世界を、機械学習、VR / AR、IoT などの領域で活躍されている方々と一緒に議論するイベント「INEVITABLE ja night」。 9 月 18 日に開催した第 6 回目のイベントは、「日本の情シスを巡る不可避な流れ」をテーマに、現役の CIO や情シスでの業務経験のある方々をお招きして、日本企業における情報システム部門は今後どのような役割を果たすべきか、どのように進化すべきか、さらには、情シス的な人材が今後どのように活躍できるのかについて、議論しました。
現役 CIO が語る情シスの現状と未来
前半のテーマは「現役 CIO に聞く。情シスと CIO の役割を巡る不可避な流れ」ということで、以下の3名の方に登壇いただきました。- 友岡 賢二さん(フジテック株式会社 常務執行役 情報システム部長)
- 成田 敏博さん(株式会社ディー・エヌ・エー 経営企画本部 IT 戦略部部長)
- 金山 裕樹さん(株式会社スタートトゥデイテクノロジーズ 代表取締役 CINO(Chief Innovation Officer))
(左から、友岡さん、成田さん、金山さん。聞き手は小島 英揮さん(Still Day One 合同会社 代表社員 パラレルマーケター・エバンジェリスト))
業界も、会社における情シスの役割も異なる御三方ですが、共通する考えもあるようです。たとえば、いずれも社内システムは内製化を積極的に進めているとのこと。自らの手を動かすことで課題解決を人任せにせずに進めることが大切であり、また、構築したシステムは、運用の過程で、仮説立案・検証・改善というフィードバックループを回していくことで、システムの価値を高めていくべきと述べていました。こうした変化は、開発や運用をいっしょに行う社外パートナーとの付き合い方にも影響しているとのこと。IT サービスを購入・試用し、前述のフィードバックループを共に回せるパートナーが求められていると言います。
さらには、自社内のみならず他社や異業種との交流も推進しているそうです。様々なノウハウを競合他社を問わずに共有することで、新たな知識を得たり技術力を磨くことができるだけでなく、自らを客観的に評価できるようになるとのこと。情シスに所属しているメンバーは社外のコミュニティにどんどん参加すべきだということも、3 名の一致した意見でした。
参加者からは、CIO のロールモデルとして三者三様の考え方に共感したという声も多数あがったセッションでした。
クロスオーバー時代にみる情シス的キャリア
イベント後半は、金融業界から 2 名のゲストを招いて、情シス的な人材が金融の分野で活躍するには何をすべきか、キャリア形成の観点から様々なお話を語っていただきました。- 大久保 光伸さん(株式会社 Blue Lab 最高技術責任者(CTO))
- 黒須 義一さん(株式会社みずほ銀行 個人マーケティング部 シニアマネージャー )
(左:大久保さん、右:黒須さん)
一方、黒須さんは「この業種、この会社に勤めたいというよりも、自分が関わることで世の中にインパクトを与えられることが実現できるか」を重視しているとのこと。自らを「わらしべ長者的キャリア」と語るように、ルート営業、データセンター事業のアライアンス開拓、クラウド導入支援と、その時に所属した企業で身につけた技術や知識、経験を次の職場でどのように活かすかを心がけてきたそうです。「敵を作らない対人スキルとテクノロジーを噛み砕いてわかりやすく説明するスキル」も大切であると、黒須さんは語っていました。
今回の INEVITABLE ja night は、過去 5 回とは異なり、テクノロジーではなく、それを使う情シスという組織をテーマにお送りしました。今回登壇された 5 名のゲストスピーカーそれぞれの考え方は、イベントの参加者にとって、大いに刺激になったようです。
Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team
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