Google Launchpad Accelerator Tokyoに7社のスタートアップが選出、東京でプログラム開始

Google Launchpad Accelerator Tokyoに7社のスタートアップが選出、東京でプログラム開始: 8 月末に発表して応募を開始した Google 主催のグローバル アクセラレーター Google Launchpad Accelerator Tokyo の参加スタートアップ企業 7 社が、10 月 15 日から東京の Google オフィスでブートキャンプに参加、計 4 日間のプログラムを終了しました。今回応募多数の中から厳正な審査の結果、以下の 7 社を選出しました。





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  • Joyz : 学校向け英語学習アプリ。非母語話者の発話分析エンジンを開発
  • Empath : 音声から感情を読み取る技術を開発。言語非依存で短時間の音声データでも分析可能
  • Cinnamon : 金融機関向け書類認識エンジンの提供。非構造化文書も処理可能
  • PicoCELA : マルチホップ技術を使った無線ネットワーク。エッジデバイスのさらなる効率化に取り組む
  • ArchiTek : 低コストなAI向け半導体技術の開発
  • Zenport : 輸出入業者向け業務SaaSの開発
  • ThinkCyte : 独自の先端光学技術と機械学習処理を融合した高速な細胞分析選別ソリューション


当アクセラレーター プログラムはエクイティーフリーの 3 か月にわたるプログラムで、 3 つの鍵となるブートキャンプがあります。まず 10 月中旬の東京の 1 週間を皮切りに、11 月末にテルアビブ(イスラエル)、1 月末にシリコンバレーをまわり、現地のメンターコミュニティーとの交流、Google の持つ各種ワークショップに参加していただく予定です。発表時にご案内したたとおり、Launchpad Accelerator はこれまで、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、南アメリカの各都市で同プログラムを展開し、これまでに世界 40 カ国以上からスタートアップ企業が参加しています。

東京で実施したプログラムには、シリコンバレーやブラジル、ベトナム、インドネシア、イスラエルなどから集まった経験豊富な起業家や投資家からなるグローバル メンター陣に加えて、東京を拠点に活躍するローカル メンター陣の総勢 20 人が 7 社のビジネスやテクノロジーについて助言。各 1 時間のセッションが終わっても議論が終わらずに熱心にテクノロジーやビジネスを語る姿がみられました。



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ビジネス面、組織面でのワークショップを提供

Launchpad 審査のポイントはテクノロジーを活用しているスタートアップ企業であることですが、プログラム自体は、必ずしもテクノロジーの助言や支援を中心としているわけではありません。むしろ、スタートアップがたどる一般的な道のりを示した上で、どの段階で何をすべきかという詳細な参加型のトークセッションからはじまり、いわゆる PMF (Product Market Fit)を達成するために必要なアプローチと考え方、そして組織が急成長するときに必要となる目標管理フレームワークや、C レベル向けリーダーシップ教育のワークショップといったものを提供しています。集中的に 2 日半をかけてプロダクトに新機能を実装したり改善する、あるいは業務プロセスを改善するデザイン スプリントも行います。




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目標管理は OKR(Objective and Key Results)と呼ばれるもので、もともとインテルが発祥と言われるフレームワークです。Google でも初期からずっと使っています。達成したい目標は何か、その目標を達成するのにカギとなる結果は何かを定義して、会社、チーム、そして個々人の目標をトラックします。ただ、どう設定するべきか、そしてそれをどう評価と結び付けるべきなのかといったことは自明ではありません。例えば、目標設定は高いほうが良い結果に繋がることが分かっていますが、高すぎると逆にコミットメントが下がってチームのパフォーマンスは下がります。このため OKR の達成度は 70%となるように設定するのですが、このとき大切なのは、OKR の達成度と報酬や人事評価と連動させてはいけない、ということがあります。これは心理学の研究成果や Google 社内での実験などから得た知見が盛り込まれたもので、半分は科学、半分はアートというべきフレームワークです。Launchpad プログラムでは、こうした ノウハウをお伝えし、参加企業が 3 か月の間に取り込むべき OKR を Google 社内のファシリテーターとともに設定して、それを実際にトラックしていきます。今回の参加スタートアップ企業でいえば、新機能実装を OKR に盛り込んでいるところもあれば、あいまいだったターゲット顧客層を定義し直して、実際にニーズがあるかどうかを検証する実装までやるという OKR を掲げているところもあります。


Leader’sLab と呼ぶリーダーシップ教育プログラムは、もともとは大企業の経営層、特に CEO 向けに開発されたものです。Launchpad では、これを従業員規模が数十人〜数百人程度で急激に組織が大きくなるスタートアップ企業の CEO や CTO など経営チーム向けに改変したワークショップを提供しています。これは単なる座学ではありません。事前にリーダーとしての自己評価を多面的にしていただくと同時に、共同創業者や経営メンバー、あるいは社員からの詳細なフィードバックを事前に集めておいて、そこから学びを得るという趣旨の参加型ワークショップです。スタートアップ企業の経営陣には、大きな組織やチームのマネジメント経験のないメンバーがいることもあります。米国のある調査によれば、VC が支援するスタートアップの失敗のうち、実に 65% が組織や人に起因する問題で、プロダクトや市場による失敗は 35% という回答を投資家から得ているそうです (*1)。Launchpad が提供する Leader’sLab には、これまで 25 カ国で 450 人のリーダーが参加して高い評価を得ています。


(*1) Source: Wasserman, Noam. (2013). The Founder’s Dilemmas.


まだ開始したばかりですが、 Google Launchpad Accelerator Program Tokyo は、スタートアップ企業が直面するビジネスやテクノロジー、組織がスケールする上での課題を取り除くことで、成長軌道に乗るお手伝いをする 3 か月間のプログラムです。2 月上旬のプログラム終了時まで、熱量の高い起業家の皆さんとご一緒して、成長の一助となれることは、われわれ Google にとっても大変に光栄なことです。

Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team


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