「Vue.js入門 基礎から実践アプリケーション開発まで」を読みました

「Vue.js入門 基礎から実践アプリケーション開発まで」を読みました:

Vue.js入門 基礎から実践アプリケーション開発まで

Vue.jsを初歩から実践まで徹底的に解説。使いやすくかつ,プロダクションでも活躍するVue.jsをVue.jsコントリビューターの著者らが解説する一番わかりやすい入門書です。小規模な適用例やjQueryからの移行サンプルに加え,大規模開発を想定したアプリケーション開発も体験できます。Vue.jsはGitHubで2017年最も人気のあったJavaScriptフレームワークに選ばれるなど大注目の技術です。


対象読者層

Javascriptの基本的な文法は分かっていた方がいいと思います。特に後半からはES2015以降の書き方が使われてきますので、不慣れな場合は平行して学習しましょう。


良かったところ

  • 基本文法やコンポーネントだけでなく、Vue RouterやVuexなどのコアライブラリについても体系的な知識が身につきます。
    サンプルコードと共に解説されており、いずれも理解しやすいです。(1〜7章)
  • 8章〜10章は規模感のあるSPAを構築していくための環境構築・テスト・設計・実装、エラーハンドリング、パフォーマンスチューニングなどについて書かれた実践的な章になっています。


気になったところ


8章以降で解説されるサンプル(カンバンアプリ)が途中で終わる

本書ではページの都合上、本章で作成するアプリケーションの実装について全て解説できません(p.350)
ただでさえ450ページほどある割とボリュームのある本書なので、そこまでフォローしていたらとんでもないページになるでしょうから仕方ないですが、8章で環境構築、9章で設計と来て10章の実装でこれなので、肩透かしを食らった感は否めません。

サポートページで、書籍にはない部分まで実装したサンプルコードが配布されているので 、そちらを参考に力試し的な感じで利用するのが良さそうです。


カンバンアプリの環境構築が vue init を利用したものである

本書でも言及がありますが、最新のvue cli 3系においてはvue createコマンドが推奨され、vue init はレガシーコマンドとなっています。それで何か問題があるわけではないですが、今から新たに学ぶにあたっては vue create の方がいいのではないかと思います。vue create コマンド自体は6章(単一ファイルコンポーネントによる開発)で利用されています。


その他

Appendix として jQueryからの移行についての紹介があります。具体的な内容も有益ですが、それ以上にWebでちらほら見かける「jQueryなんてオワコンwww 時代は( Vue | React | その他FW )でしょ」的な言説に釘をさしているのが素晴らしいです。

昨今、Web上でjQueryを一方的に否定する記事を見かけますが、このような批判は多くの場合見当違いです。そもそも、jQuery と Vue.jsでは解決する問題が異なります。両者は併用することが可能で、互いに相容れないものではありません。

 重要なのは、ウェブサイトやアプリケーションの仕様や問題を把握して、適切な技術を選択することです。(p.412)


まとめ

Vue.jsを体系立てて学習したい人、Vue.jsを用いた実践的なアプリケーション開発の方法を知りたい人におすすめです。

Vue.js入門 基礎から実践アプリケーション開発まで

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