ますますカバーする領域の「深さ」と「広さ」を拡大するAWS
ますますカバーする領域の「深さ」と「広さ」を拡大するAWS:
昨年の11月末に開催された AWS re:Invent 2018。すでに開催直後に掲載された各種オンラインメディアの記事からピックアップして紹介しましたが、年末年始にかけてまたいろいろレポート記事が出ていましたので、その中からご紹介します。速報はイベント初日に行われたジャシーCEOによるキーノート講演を紹介しているものが多かったのですが、AWSがどこを目指しているのか、より俯瞰的にレポートしてくれている記事をピックアップしてご紹介します。
※下記サイトからの転載。ビッグデータ・AIなどに関するトピックを毎週取り上げています。
TechCrowd: https://www.techcrowd.jp/related/
フリージャーナリストの西田 宗千佳氏のAWS re:Invent 2018を通じて感じたAWSの現在と今後についてまとめたレポートです。AWSは、明確に「データ中心主義の世界」を志向しているとのこと。講談社のブルーバックスwebサイトに掲載されています。
今回のre:Inventで特筆すべき発表としてとりあげているのが、ジャシーCEOがおこなつた新サービス「AWS Ground Station」の発表。AWSは世界中にサービス拠点をもっているが、そこに衛星とのデータリンクを行う基地局を配置し、衛星からのデータ取得を行いやすくするサービスです。ダウンリンクを行うタイミングや量などをウェブからオンデマンドで「発注」できるようにしたものです。
次にとりあげたのが「AWS DeepRacer」というロボットカー。インテル製のプロセッサーとHDカメラを内蔵し、道路を認識して自走する「自動運転車」のキットになるものです。AWSが機械学習、特に「強化学習」とよばれる技術に詳しい技術者を養成するための学習ツールを用意して、AWS自身がre:Invent内でレースを開催もしています。
上記のふたつはAWSの中では異端といえるようなサービスであると断りながらも、それらから感じられるAWSが考えるこれからのコンピュータのあり方として解説してくれているのが、「これからのソフトウェアはデータの存在と活用を軸にしていく」ということ。
機械学習もこれからはデバイスの側でローカルに処理を行う「エッジAI」が増えてくる。自動運転のように即時性が求められるものはもちろんエッジでの処理が必須となりますが、無人コンビニのようなものでも画像や音声などのセンサーから得られたデータをそのままクラウドに流していたのではネット回線的にもクラウドインフラ的にも負担が大きい。
しばらく前までは、AWSが提供するサービスは顧客のデータを扱ったり、サービスに必要な処理能力を提供したりするインフラでした。IaaSという言い方もしますね。しかし、いまAWSは、サービス構築者が集めた膨大な不定形のデータを、効率的に利用するためのストレージ技術や機械学習の技術を磨いています。単なるストレージ、単なるCPUの提供ではなく、さまざまな用途に合わせたさまざまなサービスを用意しているからこそ、毎年、多数の新サービスの発表をAWSは行っています。すなわち、「データをもとにして、それを適切に活用してサービスに活かすためのインフラ」を提供する事業者へと姿を変えつつあるとのことです。
リクルートマーケティングバートナーズのデザイナー、エンジニア、スクラムマスターたちが発信する開発情報メディア「PSYENCE:MEDIA」に投稿されたre:Invent2018参加者のレポートです。コンテナ関連の発表としては、App MeshとCloud Mapの発表が注目を集めたとのことで、新しく発表されたApp Meshがどのような仕組みなのかを実際に動かしつつ、公式ドキュメントにも掲載されていない情報も含めて紹介してくれている記事です。
AWS App MeshはAWSで利用できるマネージドサービスメッシュです。Envoy proxyを使ってコンテナ化されたマイクロサービスの可視化やトラフィックコントロールを容易に出来るようになります。
App Meshでは全てのサービス間通信に必ずEnvoyをはさむような通信経路をとります。このようにすることにより、アプリ側には一切手を入れずに全てのサービス間の通信をトレーシング出来たり、途中で柔軟にトラフィックのルーティングを切り替えたり出来るようになります。
2018年12月時点では、まだPublic β Ver.なので、routesをupdateすると500エラーが返ってきたり反映されなかったりする等の事象があるようですが、すでにApp Meshを使うだけであれば、JSONでroutingの設定をするだけなので、マネージドサービスのメリットを享受できるようになっています。
また、まだトラフィックルーティングしか実装されていませんが、内部にEnvoyを使っている以上、Envoyでできること(retry、circuit breakingなど)は実装されさえすれば、必ず出来るようになると言えるとのことです。Istioのような有名どころと比較すると機能面でまだまだないものが多いですが、ロードマップを見る限りこれからどんどん機能が追加されていくのが期待できそうとのことです。
週刊アスキーのre:Invent 2018のレポート記事です。re:Inventの後半は体調をくずしてしまった記者が、re:Inventから一ヶ月たって、イベント全体を俯瞰して重要なポイントをレポートしてくれている記事です。
すでに140ものサービスが用意されているAWS。用途や要求スペックに合わせたサービスもきめ細かく用意されていて、サービスの「深さ」も充実してきているが、それとともに、一連のAWSサービスの「マネージドサービスのレベルが上がってきている」とのこと。ユーザーが手を動かさなければならない手間はますます減り、本質的なビジネスロジックによりフォーカスできるように進化しています。
またサービスの数が多く選択肢が多いがために、AWSにまだ慣れていないユーザは困ってしまう面がありますが、そのために生まれたのがいわゆるAWSの使い方をガイドするためのベストプラクティス。クラウドアーキテクトによるベストプラクティスである「AWS Well-Architected Framework」がよく知られていますが、今回はレビューを行なう「AWS Well-Architected Tool」も発表されました。また、エンタープライズを前提とした「規範的なガイダンス」となる「AWS Control Tower」「AWS Security Hub」「AWS Lake Formation」も、どのように使うべきかにフォーカスを当てているサービスと言えます。
また、AWSのサービスの進化としてもう1つ感じた点として、単にサービスを提供するだけではなく、利用を推進するための仕掛けの充実を進めている点をあげています。例としてあげているのが「AWS Deep Racer」と「AWS Ground Station」。いずれも機械学習やデータ分析を促進するための仕掛けであり、実践教材でもあるとのこと。
昨年の11月末に開催された AWS re:Invent 2018。すでに開催直後に掲載された各種オンラインメディアの記事からピックアップして紹介しましたが、年末年始にかけてまたいろいろレポート記事が出ていましたので、その中からご紹介します。速報はイベント初日に行われたジャシーCEOによるキーノート講演を紹介しているものが多かったのですが、AWSがどこを目指しているのか、より俯瞰的にレポートしてくれている記事をピックアップしてご紹介します。
※下記サイトからの転載。ビッグデータ・AIなどに関するトピックを毎週取り上げています。
TechCrowd: https://www.techcrowd.jp/related/
市場シェア5割超!世界を席巻する「もう1つのAmazon」の正体
フリージャーナリストの西田 宗千佳氏のAWS re:Invent 2018を通じて感じたAWSの現在と今後についてまとめたレポートです。AWSは、明確に「データ中心主義の世界」を志向しているとのこと。講談社のブルーバックスwebサイトに掲載されています。今回のre:Inventで特筆すべき発表としてとりあげているのが、ジャシーCEOがおこなつた新サービス「AWS Ground Station」の発表。AWSは世界中にサービス拠点をもっているが、そこに衛星とのデータリンクを行う基地局を配置し、衛星からのデータ取得を行いやすくするサービスです。ダウンリンクを行うタイミングや量などをウェブからオンデマンドで「発注」できるようにしたものです。
次にとりあげたのが「AWS DeepRacer」というロボットカー。インテル製のプロセッサーとHDカメラを内蔵し、道路を認識して自走する「自動運転車」のキットになるものです。AWSが機械学習、特に「強化学習」とよばれる技術に詳しい技術者を養成するための学習ツールを用意して、AWS自身がre:Invent内でレースを開催もしています。
上記のふたつはAWSの中では異端といえるようなサービスであると断りながらも、それらから感じられるAWSが考えるこれからのコンピュータのあり方として解説してくれているのが、「これからのソフトウェアはデータの存在と活用を軸にしていく」ということ。
機械学習もこれからはデバイスの側でローカルに処理を行う「エッジAI」が増えてくる。自動運転のように即時性が求められるものはもちろんエッジでの処理が必須となりますが、無人コンビニのようなものでも画像や音声などのセンサーから得られたデータをそのままクラウドに流していたのではネット回線的にもクラウドインフラ的にも負担が大きい。
しばらく前までは、AWSが提供するサービスは顧客のデータを扱ったり、サービスに必要な処理能力を提供したりするインフラでした。IaaSという言い方もしますね。しかし、いまAWSは、サービス構築者が集めた膨大な不定形のデータを、効率的に利用するためのストレージ技術や機械学習の技術を磨いています。単なるストレージ、単なるCPUの提供ではなく、さまざまな用途に合わせたさまざまなサービスを用意しているからこそ、毎年、多数の新サービスの発表をAWSは行っています。すなわち、「データをもとにして、それを適切に活用してサービスに活かすためのインフラ」を提供する事業者へと姿を変えつつあるとのことです。
re:Invent 2018 で発表されたAWS App Meshの仕組みを解説します
リクルートマーケティングバートナーズのデザイナー、エンジニア、スクラムマスターたちが発信する開発情報メディア「PSYENCE:MEDIA」に投稿されたre:Invent2018参加者のレポートです。コンテナ関連の発表としては、App MeshとCloud Mapの発表が注目を集めたとのことで、新しく発表されたApp Meshがどのような仕組みなのかを実際に動かしつつ、公式ドキュメントにも掲載されていない情報も含めて紹介してくれている記事です。AWS App MeshはAWSで利用できるマネージドサービスメッシュです。Envoy proxyを使ってコンテナ化されたマイクロサービスの可視化やトラフィックコントロールを容易に出来るようになります。
App Meshでは全てのサービス間通信に必ずEnvoyをはさむような通信経路をとります。このようにすることにより、アプリ側には一切手を入れずに全てのサービス間の通信をトレーシング出来たり、途中で柔軟にトラフィックのルーティングを切り替えたり出来るようになります。
2018年12月時点では、まだPublic β Ver.なので、routesをupdateすると500エラーが返ってきたり反映されなかったりする等の事象があるようですが、すでにApp Meshを使うだけであれば、JSONでroutingの設定をするだけなので、マネージドサービスのメリットを享受できるようになっています。
また、まだトラフィックルーティングしか実装されていませんが、内部にEnvoyを使っている以上、Envoyでできること(retry、circuit breakingなど)は実装されさえすれば、必ず出来るようになると言えるとのことです。Istioのような有名どころと比較すると機能面でまだまだないものが多いですが、ロードマップを見る限りこれからどんどん機能が追加されていくのが期待できそうとのことです。
ふがいない僕はラスベガスのホテルでre:Inventについて考えた
週刊アスキーのre:Invent 2018のレポート記事です。re:Inventの後半は体調をくずしてしまった記者が、re:Inventから一ヶ月たって、イベント全体を俯瞰して重要なポイントをレポートしてくれている記事です。すでに140ものサービスが用意されているAWS。用途や要求スペックに合わせたサービスもきめ細かく用意されていて、サービスの「深さ」も充実してきているが、それとともに、一連のAWSサービスの「マネージドサービスのレベルが上がってきている」とのこと。ユーザーが手を動かさなければならない手間はますます減り、本質的なビジネスロジックによりフォーカスできるように進化しています。
またサービスの数が多く選択肢が多いがために、AWSにまだ慣れていないユーザは困ってしまう面がありますが、そのために生まれたのがいわゆるAWSの使い方をガイドするためのベストプラクティス。クラウドアーキテクトによるベストプラクティスである「AWS Well-Architected Framework」がよく知られていますが、今回はレビューを行なう「AWS Well-Architected Tool」も発表されました。また、エンタープライズを前提とした「規範的なガイダンス」となる「AWS Control Tower」「AWS Security Hub」「AWS Lake Formation」も、どのように使うべきかにフォーカスを当てているサービスと言えます。
また、AWSのサービスの進化としてもう1つ感じた点として、単にサービスを提供するだけではなく、利用を推進するための仕掛けの充実を進めている点をあげています。例としてあげているのが「AWS Deep Racer」と「AWS Ground Station」。いずれも機械学習やデータ分析を促進するための仕掛けであり、実践教材でもあるとのこと。
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