ドイツにおける追加責任準備金(ZZR)制度の見直しを巡る動き-2018年決算から見直しを行う法令改正が発効-

ドイツにおける追加責任準備金(ZZR)制度の見直しを巡る動き-2018年決算から見直しを行う法令改正が発効-: ■要旨



ドイツにおいては、国内の生命保険会社の法定会計において、一定のルールに基づいて強制的に追加責任準備金の積立を求める、いわゆるZZR(Zinszusatzreserve)と言われる制度が2011年に導入された。昨今の低金利環境下で、この制度に基づく、追加の責任準備金積立負担が大きなものになっていることについては、基礎研レポート「金利低下に保険監督当局はどう対応してきたのか-ドイツBaFinの例-」(2015.6.15)で報告した。さらには、そうした状況下で、保険監督当局であるBaFin(連邦金融監督庁:Bundesanstalt fur Finanzdienstleistungsaufsicht)が、2015年度決算において、ZZR制度の適用緩和策を導入したことを、基礎研レター「ドイツにおける追加責任準備金(ZZR)制度を巡る動き-BaFinによる適用緩和策-」(2016.2.22)で報告した。



その後も、ドイツの金利環境を巡る状況は厳しく、毎年の決算において多額のZZRの積立を余儀なくされてきた。また、その財源確保のために、債券の売却を行って、含み益の実現を余儀なくされることで、生命保険会社の財務状況に与える影響等が極めて大きなものとなっていた。



こうした状況下で、生命保険業界等は、これまでBaFinや財務省(Bundesministerium der Finanzen:BMF)に対して、ZZR制度の見直しについて、強い働きかけを行ってきた。一方で、ドイツの連邦議会の金融委員会は、財務省に対して、2014年から施行されている生命保険改革法(LVRG)の影響を評価し、これを報告するように求めていた。財務省は、これらに応える形で、6月28日に「評価報告書」を金融委員会に提出して、公表した。この「評価報告書」の中で、ZZRについては、BaFinによる調査結果が示され、現行制度に基づく課題が示され、その計算ルールの調整を行うべき、との結論が述べられた。



ZZR制度の見直し案については、これまでもDAV(ドイツ・アクチュアリー会)が具体的な提案を行い、BaFinとの検討も行われて、共同で開発されてきた。こうした動きについては、保険年金フォーカス「ドイツにおける追加責任準備金(ZZR)制度の見直しを巡る動き-BaFinとDAVによる新たな方式-」(2018.8.7)で、報告した。



さらに、財務省は、9月13日にZZRを改正するドラフト法案 を公表して、関係団体からの意見を徴収していたが、これについても、保険年金フォーカス「ドイツにおける追加責任準備金(ZZR)制度の見直しを巡る動き-財務省が改正法案を提示-」(2018.10.15)(以下、「前回のレポート」という)で報告した。



その後、この法令改正が最終的に決着し、10月22日付の連邦官報(Bundesgesetzblatt)で公布 されたので、今回のレポートは、この内容について報告する。



■目次



1―はじめに

2―ZZR制度について

  1|ZZR制度の概要

  2|ZZR制度による追加責任準備金の積立状況

3―今回のZZR制度の見直しについて

  1|回廊法(コリドー法)の採用

  2|責任準備金命令(Deckungsrückstellungsverordnung:DeckRV)の改正内容

4―今回の見直しによる影響及び反応等

  1|見直し後の参照利率

  2|見直しによるZZR積立額への影響及びその他の財務面の影響

  3|今回の見直しに対する保険関係団体等からの反応

  4|BaFinからの情報発信

5―まとめドイツにおいては、国内の生命保険会社の法定会計において、一定のルールに基づいて強制的に追加責任準備金の積立を求める、いわゆるZZR(Zinszusatzreserve)と言われる制度が2011年に導入された。昨今の低金利環境下で、この制度に基づく、追加の責任準備金積立負担が大きなものになっていることについては、基礎研レポート「金利低下に保険監督当局はどう対応してきたのか-ドイツBaFinの例-」(2015.6.15)で報告した。さらには、そうした状況下で、保険監督当局であるBaFin(連邦金融監督庁:Bundesanstalt fur Finanzdienstleistungsaufsicht)が、2015年度決算において、ZZR制度の適用緩和策を導入したことを、基礎研レター「ドイツにおける追加責任準備金(ZZR)制度を巡る動き-BaFinによる適用緩和策-」(2016.2.22)で報告した。



その後も、ドイツの金利環境を巡る状況は厳しく、毎年の決算において多額のZZRの積立を余儀なくされてきた。また、その財源確保のために、債券の売却を行って、含み益の実現を余儀なくされることで、生命保険会社の財務状況に与える影響等が極めて大きなものとなっていた。



こうした状況下で、生命保険業界等は、これまでBaFinや財務省(Bundesministerium der Finanzen:BMF)に対して、ZZR制度の見直しについて、強い働きかけを行ってきた。一方で、ドイツの連邦議会の金融委員会は、財務省に対して、2014年から施行されている生命保険改革法(LVRG)の影響を評価し、これを報告するように求めていた。財務省は、これらに応える形で、6月28日に「評価報告書」を金融委員会に提出して、公表した。この「評価報告書」の中で、ZZRについては、BaFinによる調査結果が示され、現行制度に基づく課題が示され、その計算ルールの調整を行うべき、との結論が述べられた。



ZZR制度の見直し案については、これまでもDAV(ドイツ・アクチュアリー会)が具体的な提案を行い、BaFinとの検討も行われて、共同で開発されてきた。こうした動きについては、保険年金フォーカス「ドイツにおける追加責任準備金(ZZR)制度の見直しを巡る動き-BaFinとDAVによる新たな方式-」(2018.8.7)で、報告した。



さらに、財務省は、9月13日にZZRを改正するドラフト法案1を公表して、関係団体からの意見を徴収していたが、これについても、保険年金フォーカス「ドイツにおける追加責任準備金(ZZR)制度の見直しを巡る動き-財務省が改正法案を提示-」(2018.10.15)(以下、「前回のレポート」という)で報告した。



その後、この法令改正が最終的に決着し、10月22日付の連邦官報(Bundesgesetzblatt)で公布2されたので、今回のレポートは、この内容について報告する。





 





2―ZZR制度について

まずは、ZZR制度について、これまでのレポートの内容を繰り返して、簡単に説明しておく。



1|ZZR制度の概要

BaFinは、低金利環境が続く中で、生命保険会社の健全性の強化を図るために、2011年度決算から、新たに一定のルールに基づいて強制的に追加責任準備金の積立を求める、いわゆるZZR(Zinszusatzreserve:Additional Provision to the Premium Reserve)と言われる制度を導入した。



具体的には、「ドイツ連邦銀行(Deutsche Bundesbank)によって公表されるユーロの10年スワップレートの10年平均3」に基づいて決定される「参照利率(Referenzzins)」を算出し、この参照利率を上回る予定利率で責任準備金を算出している契約については、当初15年間はこの参照利率(16年目以降は契約時の予定利率をそのまま)を使用して、責任準備金を再評価しなければならない。強制的な追加責任準備金積立制度であるZZRについては、その手法等は責任準備金命令(Deckungsrückstellungsverordnung:DeckRV)に規定されており、不足額の算出も機械的に行われる。こうして強制的に積み立てられる追加責任準備金については、将来参照利率が上昇等して、積立の必要がなくなった場合には取り崩しが行われる。



 




3 毎年度の数値は、毎月末数値の12ヶ月平均が使用されるが、決算年度だけは1~9月の9ヶ月平均が使用される。


 なお、2014年7月の生命保険改革法以前は、10年国債利回りを使用していた。
2|ZZR制度による追加責任準備金の積立状況

BaFinの2017年の年次報告書(Annual Report)等によれば、2017年に生命保険業界全体で、新たに約150億ユーロの追加責任準備金の積立が行われ、2017年末の残高は約600億ユーロとなったと想定されている。これは責任準備金の約8%程度に相当する数値である。また、ドイツの格付会社アセクラータ(Assekurata) によると、2017年末の業界全体での保有契約の平均予定利率は2.77%程度であったが、追加責任準備金の積立により、これが2.03%程度となり、結果として74bpの平均予定利率の低減効果が生み出された形になっている、としている。



ただし、現在のような低金利環境が続くのであれば、新規投資と再投資の利回りは2%未満とならざるを得ず、2%という保証水準の利回りも持続的には達成できないことから、さらなるZZRの積立が求められてくることになる。

 



3―今回のZZR制度の見直しについて

今回のZZR制度の見直しの内容については、以下の通りである。



1|回廊法(コリドー法)の採用

見直し後のZZR制度の方式は、「回廊法(コリドー法)」(Korridor Methode)と呼ばれているものである。その具体的な内容は、DAV(ドイツアクチュアリー会)の資料に基づくと、以下の通りである。



x%較正を用いた2M」、「回廊法(コリドー法)」とも呼ばれるものは、参照利率を以下の算式で決定する。



基本的な考え方としては、「参照利率の変動を(前年数値と過去1年の平均値の差の)一定の範囲内に収めることで、金利変動に対する参照利率の変動を緩やかに設定する。」方式である。

•RefZ_beizul(j-1)=前年の参照利率


•RefZ_Ziel(j)=これまでの方式による参照利率


•BaseZ(j)=年j の年間平均値


Deviation_max(j)= x%* Abs(RefZ_beizul(j-1)- BaseZ(j)) 
最大偏差:前年の参照利率と過去1年の平均値のx%


•ObGr(j) = RefZ_beizul(j-1)+ Deviation_max(j) 上限


•UntGr(j)= RefZ_beizul(j-1)- Deviation_max(j) 下限



•RefZ_beizul *(j)


= RefZ_Zielj);  UntGr(j)≦RefZ_Ziel(j)≦ObGr(j)の場合


= ObGr(j)  ;  ObGr(j)<RefZ_Ziel(j)の場合


= UntGr(j) ;  RefZ_Ziel(j)<UntGr(j)の場合


上限と下限の範囲内



•RefZ_beizul(j)


= RefZ_beizul(j-1)


;  RefZ_beizul *(j)<RefZ_beizul(j-1)<BaseZ(j)


又はRefZ_beizul *(j)> RefZ_beizul(j-1)> BaseZ(j)の場合


= RefZ_beizul *(j); その他


上記数値が一定の条件を満たす場合、前年の参照利率に据置


(金利が上昇しているのに上記数値が前年数値を下回る場合や金利が下降しているのに上記数値が前年数値を上回る場合)

即ち、新しい方式によれば、参照利率は、毎年、最大「前年の参照金利とこれまでの方式に従って算出される現在年の参照金利との差額の一定割合x(%)」でしか変動しない、ことになる。これまでの方式に比べて、金利下落時には参照利率の引き下げが遅くなり、金利上昇時には参照利率の引き上げが遅れることになる。



また、この計算式に現われるx%が「Xファクター」と呼ばれ、金利の変動のスピードを表すことになる。



今回の改正ではx=9、即ち「9%」となった。2|責任準備金命令DeckungsrückstellungsverordnungDeckRV)の改正内容

ZZR制度については、責任準備金命令(Deckungsrückstellungsverordnung:DeckRV)に規定されている。



今回の改正では、DeckRVに加えて、年金基金監督条例(Pensionsfonds-Aufsichtsverordnung: PFAV)についても、同様の改正が行われているが、ここでは、DeckRVの改正内容のみを紹介する。



なお、最終改正では、計算規則を明確にするために、ドラフトから若干の修正が行われている。

1.「§5.数理計算上の基礎」を以下のように改正


a)第3パラグラフ


(3)ドイツ商法第341f条(2)項により要求される会社の期待収入の計算において、収入は、以下の文章に従って計算される暦年ベースの参照利率とする。引当金割引命令の§7に従ってドイツ連邦銀行が発行した10年満期のゼロクーポンユーロ金利スワップレートの月末値が使用される。前の暦年の9年間で、小数点第2位まで切り上げた年末の年平均値が決定される。2009年から2013年までの年間平均値は3.81、3.13、3.15、2.14及び1.96%となる。現在の暦年では、最初の9か月の月末の数字の小数点第2位まで切り上げられた平均が決定される。3つ目の文章からの9つの年平均と4つ目の文章からの平均との合計は10で除算される。次の差異が小数点第2位までを切り上げて作成される。


1.5つ目の文章で得られた値より前の暦年の参照利率を引いた値


2.4つ目の文章で受け取った値の9%から、前年の参照利率の9%を引いたもの


6つ目の文章の1と2との差異が同じ符号を有する場合、暦年の参照利率は、前年の参照利率を絶対額がより小さい差額によって調整することによって得られる。それ以外の場合、参照利率は前年と比較して変わらない。2017年の参照利率は2.21%である。


b)第4パラグラフ


最初の文章における「平均値(参照利子)」という言葉は、「会計年度が始まった暦年の参照利子」という言葉に置き換えられる。



2.「.§6.移行措置」を以下のように改正


「§6.移行措置


2018年10月23日から適用されるバージョンの§5(3)及び(4)は、2017年12月31日以降に開始する会計年度に初めて適用される。2018年1月1日より前に開始する会計年度については、2018年10月22日まで有効なバージョンの第5条第3項および第4項は引き続き適用される。」

なお、この改正は10月22日に公布され、翌日の10月23日に発効している。



また、BaFinは、この改正に関する説明覚書(Begründung)4を公表しており、この中で、計算手法の詳細等を説明している。





1|見直し後の参照利率

今回の見直し案による参照利率への影響は、以下の通りとなる。



ドイツ連邦銀行(Deutsche Bundesbank)が9月の基準利率(ユーロの10年スワップレート)を0.988%と公表5したことで、2018年1月~9月の9ヶ月平均として、2018年のこれまでの方式による参照利率は1.88%となった。



一方で、新たな回廊法による参照利率は、DeckRVや先に述べたBaFinの説明覚書に従って計算すると、以下の通りで2.09%となる。>

(1) 基礎数値


前年の参照利率 2.21%


これまでの方式による参照利率 1.882%(小数点以下第3位まで) 


直近の9ヶ月の基準利率の平均 0.98%



(2) 1.882%-2.21%=-0.328% → より次の高い小数点以下2位の数値に切り上げ -0.33%



(3) (0.98%-2.21%)×0.09=-0.1107% 


→ より次の高い小数点以下2位の数値に切り上げ -0.12%



(4) (2)と(3)の両方の差異の符号が同一であり、(3)の絶対値(0.12)が(2)の絶対値(0.33)よりも小さいため、


新しい方式による参照利率=2.21%+(-0.12%)=2.09%

因みに、2018年10月の基準利率(ユーロの10年スワップレート)は0.975%であったが、金利がこのままで推移した場合、2019年の新しい方式による参照利率は1.99%となる。



2|見直しによるZZR積立額への影響及びその他の財務面の影響

今回のZZR制度の見直しに伴うZZR積立額への影響及びその他の財務面の影響については、前回のレポートで報告しているので、詳しくは前回のレポートを参照していただきたい。



ただし、前回のレポートの中では、「ドイツの格付会社アセクラータ(Assekurata) の計算によると、2018年のZZRの積立額は、これまでの方式による約220億ユーロから、新たな方式による約70~80億ユーロへと、約140億ユーロ程度は軽減されることになる。」と想定されていると報告したが、今回、GDV(ドイツ保険協会)は、これまでの方式による200億ユーロが新しい方式では約50億ユーロになり、積立額が150億ユーロ軽減されることになる、と報告している。



また、今後のZZR積立残高については、これまでの方式の下では今後も急激に増加することが想定されていたが、新しい方式では妥当なペースで成長することになる。GDVによれば、これまでの方式によると、2023年末に1,340億ユーロとなるが、新しい方式では2024年末には約770億ユーロに増加する、と想定されている。



これにより、ZZR積立のための投資評価準備金の取崩が抑制されることで、長期的な投資の売却を余儀なくされることがなくなり、また毎年の財源圧迫による保険契約への配当への影響も軽減され、世代を超えた保険契約者間の公平性の確保が可能になることが期待されることになる。3|今回の見直しに対する保険関係団体等からの反応

GDV(ドイツ保険協会)やDAV(ドイツ・アクチュアリー会)等の保険関係団体が、今回の見直しを歓迎する意向を示していたことは、前回のレポートで報告した。



さらに、今回のZZR制度の見直しについては、保険会社サイドだけでなく、消費者擁護の立場にたつ専門家や政治家も含めて、支持をしてきた。4|BaFinからの情報発信

BaFinの保険年金基金監督CED(Chief Executive Director)であるFrank Grund氏は、2018年の年次保険監督会議に向けてのインタビュー6の中で、「適切かつ必要なもので、過度にシャープな較正の修正である。」とし、「この修正は会社を圧倒させることはなく、顧客は利益を受けることになる。」と述べていた 。



また、BaFinは、その定期刊行物である11月16日付の「BaFin Journal November 2018」7において、生命保険会社を対象としたグループ監督部門の責任者であるKay-Uwe Schaumlöffel氏が「回廊法-追加利息準備金の計算ルールが変更された(Korridormethode Regeln zur Berechnung der Zinszusatzreserve geändert)」とのタイトルで、今回の改正の内容等について説明している。



その中で、Kay-Uwe Schaumlöffel氏は、今回の改正について「持続的な低金利水準を前提として、既存の保証義務をヘッジすることと将来のキャピタルゲインを予想することとの相互作用を再調整する必要があった。」と述べた。



改正内容については、「今回発効した改正は、制度の重要な要素であるにも関わらず、追加の利息準備金の測定に用いられる基準金利の決定にのみ関係している。基準金利はこれまで、過去10年間の長期資本市場金利の平均レートとして機械的に決定されており、従って毎年大きく変動してきた。 将来的には、新しい価値が1つの回廊で前の値だけ変更できるため、年間の変更は制限される。 回廊の幅は、現在の資本市場の金利が過去の基準金利からどれだけずれているかによって決まる。」また、「この変更により、現在の市場金利が既に上昇しているにもかかわらず、基準金利がさらに下落することはもはや不可能である。」と述べている。



また、ZZR積立額等に与える影響については、「参照利率が2.21%から2.09%に低下」し、2018年の積立額はGDVと同様に、これまでの方式による200億ユーロが50億ユーロに軽減される、と述べている。



さらに、顧客への影響については、新しい規制により「会社は設備投資と利益配分の面でより柔軟に対応できる。会社が貸借対照表の理由により保険料払戻しの引当金(配当準備金)を撤回しなければならないリスクは大幅に低下している。」とし、「現在の規制により、現在の金利水準における過大な貸借対照表上の準備金が導かれ、特に金利保証が低い顧客に負担をかける可能性がある。 全体的に、この新しい規則は、世代間の公平性にも貢献する。」と述べた。



なお、同じくこのBaFin Journalの中で、Frank Grund氏は、今回の改正についての評価について、先のインタビューでの発言と同様に、「2011年にZZRを導入するのが正しかったように、今や計算方法を変更することが重要である。再較正は、保険会社を過大に圧迫し、これらの企業の顧客にとっては悪いことであった可能性のあるZZRの過度に急速な拡大を防ぐ。」と述べた。ただし、低金利での業界の問題については、「低金利の期間が続く限り、保険会社にとっては依然として課題となる。 新しい保証形式や内部ランオフなど多くのオプションがある。 私たちの監督にとっては、契約者と受益者の保護は、全ての解決策において依然として重要だ。」と述べた。



 





5―まとめ

今回のZZR制度の見直しは、2018年決算から適用される。



今回の見直しは、当初保険業界が期待していたものに比べて、スケジュールが遅れていたことから、2018年決算に向けての各種対策に影響が出ていたことについては、前回のレポートで報告したとおりである。即ち、「生命保険各社の間では、2018年決算に向けて、今回の改正を一定程度織り込んで、投資評価準備金の実現化等の対応を抑制してきた会社が多いようであるが、一方で既に改正前のこれまでの方式に基づいた財源計画を立てて、財源の実現化を図ってきた会社もあるようである。」という状況だった。



今回法令改正が発効したことで、各社の決算対策に関係する不確実性が解消されたことになり、残り2ヶ月余りの中で、保険会社各社は必要な対応を行っていくことになる。



ドイツのZZR制度については、これで一応の決着を見たことになるが、Frank Grund氏も述べているように、低金利への対応は引き続きドイツの生命保険会社にとって大きな課題となっている。これに関連する問題は、日本の生命保険会社等にとっても非常に関心の高いテーマであることから、今後のZZR制度を巡る動向や低金利下におけるドイツの生命保険会社の動向等については、引き続き注視していくこととしたい。





【関連レポート】

金利低下に保険監督当局はどう対応してきたのか-ドイツBaFinの例-

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