ダスキン 山村輝治社長 人生100年時代のお客様に寄り添う
ダスキン 山村輝治社長 人生100年時代のお客様に寄り添う:
昨年11月に創業55周年を迎えたダスキン(大阪府吹田市)。昨年は「きんさん、ぎんさん」のぎんさんの娘さんを起用した新聞広告が、数多くのメディアで広告賞を受賞するなど、高い評価を獲得した。同社の山村輝治社長に広告に込めた想いや「人生100年時代」における事業展開などについて聞いた。
――ぎんさんの娘さん二人を起用された「人生100年時代に、100番、100番。」の広告には、どのような想いが込められているのでしょうか。
――広告を見て、「きんさん、ぎんさん」のテレビCMを思い出された方も多いと思います。
今から28年前にコールセンターを開設した際、番号を知ってもらうために、きんさん、ぎんさんを起用して、「ダスキン呼ぶなら100番100番」というCMを流しました。これが予想以上の反響があり、私も本部スタッフとして電話対応に追われた日のことを思い出します。
今回の広告は、ダスキン創業55周年のタイミングに、ぎんさんの娘さんの千多代さんが100歳、美根代さんが95歳になるという偶然が重なり、28年前と同じ場所で撮影をすることもできました。写真は「きんさん、ぎんさん」のお二人を撮影したことのある篠山紀信さんに撮ってもらえるなど、様々なご縁を感じています。
――広告の反響はいかがですか。
私たちのお客様係も60歳以上の方が40%以上います。そうした人たちが、「笑顔を見て元気になった」「自分ももっとがんばろう」と言ってくれています。また、介護施設や病院関係の方から「ポスターにして掲示したい」といった声もいただきました。
「人生100年時代」と言われる今、私は働きたい人は、定年を迎えた後も、たとえ週に1日でも、働き続けられるような社会にできないかと思っています。そうすれば、生活にメリハリが出るし、世の中がもっと元気になるのではないでしょうか。
――中期経営計画で「生活調律業」という事業コンセプトを打ち出されています。
「人生100年時代」と言われるように、長生きする方が増えてきました。高齢になると日々の暮らしの中でお困りごとも増えてきます。ピアノを調律するように、ダスキンの持つ様々な事業でお困りごとを解決してお客様の暮らしのリズムを整えるお手伝いをしていくのが、「生活調律業」のコンセプトです。
そのために、本年度から組織を再編し、「クリーン・ケアグループ」を、「訪販グループ」へと名称変更しました。狙いは、ダストコントロールだけなく、福祉用具レンタルや介護サービスなど、ダスキンが展開する事業の連携を強化し、お客様係がお客様に寄り添いながら、必要な商品・サービスを提案し、心地よい暮らしを実現できる集団へと進化していくことです。
――現在の顧客数はどの程度でしょうか。
ダスキンのサービスをご利用いただいている家庭が、全国におよそ500万世帯あり、お客様係が約5万人います。また、インターネットの無料会員サイト「DDuet」の会員が、約70万人にまで増えてきています。
――シニア向け事業をどう見ていますか。
当社の中では、介護用品・福祉用具レンタルと販売を行う「ヘルスレント」と、公的介護保険外の高齢者向け介護サービスを提供する「ダスキンライフケア」の2つの事業があります。いずれにも共通するのは、人が提供するサービスでしか優位性が出せないという点です。
たとえば、「ヘルスレント」だと、お客様にとって福祉用具そのものは、どこの事業者から借りても同じ商品が提供されます。「ダスキンライフケア」で言えば、商品はなく、完全に人が提供するサービスだけです。違いはスタッフの専門性やホスピタリティの部分であり、自分たちのサービスの質をいかに高めていけるかにかかっています。
――労働人口が減少する中、どのように人材を確保していかれますか。
特効薬などはありません。なぜ人が集まらないかと言えば、突き詰めれば、その仕事に魅力を感じないからでしょう。人材確保を考えるのであれば、今働いている人が仕事や職場に魅力を感じているかに意識を向けるべきです。現在はSNSなどで、情報がすぐに共有されるので、良い噂が広がれば、人も集まってくるはずです。そのため、加盟店と一緒になって、これまで以上に働きやすい職場環境をつくり上げていきます。あわせてオートメーション化できるようなところは、機械に任せていくことも必要です。
――「人生100年時代」の企業のあり方を教えてください。
当社が大切にしているのは、創業者・鈴木清一が願った「道と経済の合一」です。「道」は、どんなに時代が変わっても変えてはいけないもの。一方の「経済」は、世の中の変化に合わせて商品やサービスを変えていかなければいけない部分。変えてはならないものと、変えないといけないものをバランスよく両立させることで、お客様に喜んでもらえる商品やサービスを生み出していけると思っています。
昨年11月に創業55周年を迎えたダスキン(大阪府吹田市)。昨年は「きんさん、ぎんさん」のぎんさんの娘さんを起用した新聞広告が、数多くのメディアで広告賞を受賞するなど、高い評価を獲得した。同社の山村輝治社長に広告に込めた想いや「人生100年時代」における事業展開などについて聞いた。
――ぎんさんの娘さん二人を起用された「人生100年時代に、100番、100番。」の広告には、どのような想いが込められているのでしょうか。
そもそもは創業55周年を迎える節目に、改めてダスキンのブランドメッセージを発信できないかと考えたのがきっかけです。「人生100年時代」と言われる中で、「幅広い年代の多様なライフスタイルのお客様に寄り添った商品やサービスを提供していきたい」との想いや、私自身が全国の加盟店を訪問する中で、70歳や80歳になっても仕事を続けておられる方々の姿を見て、ますます元気になってもらいたいとのメッセージも込めました。
――広告を見て、「きんさん、ぎんさん」のテレビCMを思い出された方も多いと思います。
今から28年前にコールセンターを開設した際、番号を知ってもらうために、きんさん、ぎんさんを起用して、「ダスキン呼ぶなら100番100番」というCMを流しました。これが予想以上の反響があり、私も本部スタッフとして電話対応に追われた日のことを思い出します。
今回の広告は、ダスキン創業55周年のタイミングに、ぎんさんの娘さんの千多代さんが100歳、美根代さんが95歳になるという偶然が重なり、28年前と同じ場所で撮影をすることもできました。写真は「きんさん、ぎんさん」のお二人を撮影したことのある篠山紀信さんに撮ってもらえるなど、様々なご縁を感じています。
――広告の反響はいかがですか。
私たちのお客様係も60歳以上の方が40%以上います。そうした人たちが、「笑顔を見て元気になった」「自分ももっとがんばろう」と言ってくれています。また、介護施設や病院関係の方から「ポスターにして掲示したい」といった声もいただきました。
「人生100年時代」と言われる今、私は働きたい人は、定年を迎えた後も、たとえ週に1日でも、働き続けられるような社会にできないかと思っています。そうすれば、生活にメリハリが出るし、世の中がもっと元気になるのではないでしょうか。
――中期経営計画で「生活調律業」という事業コンセプトを打ち出されています。
「人生100年時代」と言われるように、長生きする方が増えてきました。高齢になると日々の暮らしの中でお困りごとも増えてきます。ピアノを調律するように、ダスキンの持つ様々な事業でお困りごとを解決してお客様の暮らしのリズムを整えるお手伝いをしていくのが、「生活調律業」のコンセプトです。
そのために、本年度から組織を再編し、「クリーン・ケアグループ」を、「訪販グループ」へと名称変更しました。狙いは、ダストコントロールだけなく、福祉用具レンタルや介護サービスなど、ダスキンが展開する事業の連携を強化し、お客様係がお客様に寄り添いながら、必要な商品・サービスを提案し、心地よい暮らしを実現できる集団へと進化していくことです。
――現在の顧客数はどの程度でしょうか。
ダスキンのサービスをご利用いただいている家庭が、全国におよそ500万世帯あり、お客様係が約5万人います。また、インターネットの無料会員サイト「DDuet」の会員が、約70万人にまで増えてきています。
――シニア向け事業をどう見ていますか。
当社の中では、介護用品・福祉用具レンタルと販売を行う「ヘルスレント」と、公的介護保険外の高齢者向け介護サービスを提供する「ダスキンライフケア」の2つの事業があります。いずれにも共通するのは、人が提供するサービスでしか優位性が出せないという点です。
たとえば、「ヘルスレント」だと、お客様にとって福祉用具そのものは、どこの事業者から借りても同じ商品が提供されます。「ダスキンライフケア」で言えば、商品はなく、完全に人が提供するサービスだけです。違いはスタッフの専門性やホスピタリティの部分であり、自分たちのサービスの質をいかに高めていけるかにかかっています。
――労働人口が減少する中、どのように人材を確保していかれますか。
特効薬などはありません。なぜ人が集まらないかと言えば、突き詰めれば、その仕事に魅力を感じないからでしょう。人材確保を考えるのであれば、今働いている人が仕事や職場に魅力を感じているかに意識を向けるべきです。現在はSNSなどで、情報がすぐに共有されるので、良い噂が広がれば、人も集まってくるはずです。そのため、加盟店と一緒になって、これまで以上に働きやすい職場環境をつくり上げていきます。あわせてオートメーション化できるようなところは、機械に任せていくことも必要です。
――「人生100年時代」の企業のあり方を教えてください。
当社が大切にしているのは、創業者・鈴木清一が願った「道と経済の合一」です。「道」は、どんなに時代が変わっても変えてはいけないもの。一方の「経済」は、世の中の変化に合わせて商品やサービスを変えていかなければいけない部分。変えてはならないものと、変えないといけないものをバランスよく両立させることで、お客様に喜んでもらえる商品やサービスを生み出していけると思っています。
コメント
コメントを投稿